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◇閔 賢基の音楽的考察◇

ライブ情報と日々の徒然なる記録

初レッスン

カテゴリー : ダイアリー
昔、インドに行った時、4日目で体調を崩したのを覚えているが、
エジプトへ来て、早くも軽い下痢を体験。
普段、日本でも水道水すら飲まない僕(浄水されたものしか飲まない)
なので、おそらく普通の人よりも弱いのかもしれない。
我ながら、相変わらず体の弱さ(主に生命力の方)を
感じずにはいられない。
災害が合ったら真っ先に死ぬだろうな、と。

さて、そんな事よりも11日はハニーの家で
僕の先生を紹介してくれる、ということ。
行ってみると、サミール、という25歳の男性がラバーバを2台持って来ていた。

-さて、ここでラバーバについて説明せねばなるまい。
(※僕が知りえた情報ですので真偽は定かではないので念のため)
ラバーバはおそらく弦楽器(ヴァイオリンや胡弓、ギターにいたるまで)の
原型とも呼べるものだと思われる。
ラバーバ、と呼ばれる楽器自体はいろいろな形態があり、
中には全然見た目が違うものすらある。
指で弾いて演奏するものもあれば、ヴァイオリンのように弓を用いるものもあり、
他にはより共鳴させるために多くの弦を張ってあるタイプもある。
しかし、このエジプトのラバーバはその中でももっとも原始的(祖先?)とも
言える形態ではないか、と思えるシンプルな作りをしている。
一説によれば、エジプト、ナイル上流のヌビア人の楽器、という話もある。
弦は二本あり、片方は針金、片方は馬の尻尾。
共鳴させる部分は何かの実に皮を張ってある。
弓も馬の尻尾で、松脂をつけて擦って演奏する-。
(間違っていたらご指摘くださいませ。。)

さて、このサミール氏、ラバーバを演奏し始めると、
うん、確かにこれこそムジカアラビ(アラビア音楽)、と思わせるもの。
ヴァイオリンは持っていないそうだが、持っている友達の家で
弾いているそうで、貸してみるとヴァイオリンもいい感じ!
早速、レッスンをしてもらった。
しかし、このサミール先生、英語が全く話せず、文字(アラビア語)も
楽譜も読めないため、レッスンは難航。
上田さんに通訳してもらいつつ、サミール先生が演奏する内容を
僕が繰り返す、というスタイルのレッスンをしてもらった。

夜はエジプト人のモナさんの所へ引越しし、語り合った。
このモナさん、エジプト人の中ではおそらくかなり特殊な人で、
英語も堪能な上、日本語も少々話し、音楽の趣味も多種多様。
なかなか得がたい人です。
夜はよく眠れて、疲れ気味だった体調も回復しました。

12日の今日もハニー宅へ。
サミール先生のレッスンも前回よりも順調に。
レッスンとしては僕がカマンガ(ヴァイオリン)を弾いたり、
ラバーバを弾いたり。
しかし、ラバーバは難しい。
サミール先生の演奏は細かいニュアンスも見事だが、
僕が弾くとまるで幼稚な・・・。。
ヴァイオリンで演奏してようやく、といったところ。

しかし、こうやって演奏をしていて、クラシックを勉強していた時にも
感じた事を再度実感する。
楽器とその音楽の関係性は、歌と密接な関係がある。
歌心が無ければ、楽器は演奏できないし、
歌を知るには、その地方の言語の発音や、話し方などが
非常に重要になってくる。
おそらく本当の意味でアラビア音楽を理解するには
アラビア音楽を歌えなければならないだろうし、歌を本当に
理解するには、アラビア語が話せることが必要になるだろう。

出会った時にサミール先生が「嬉しい気持ちを」と演奏してくれたが、
その演奏も、小さい頃から周りで流れていて、心身に染み渡った音楽が
そこに出ているのだろう、と強く感じた。
道は広大で深遠極まりない。
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